生産者インタビュー
2025.03.09
一期一会のハチミツ 養蜂家の情熱が生む一滴
国産天然はちみつ専門店『八八はちみつ』 養蜂家 丸山千晴
本物のハチミツ、知っていますか?
「ハチミツはスーパーフード!」と注目されることが多いですが、実際にどんな効果があるのか、どのように作られているのかを知る人は意外と少ないもの。
今回、千葉県大網白里市で 無添加・非加熱 のハチミツを手がける養蜂家 丸山千晴さんに、市販品との違いや本物のハチミツの魅力、そして彼女の養蜂への情熱についてうかがいました。
“ハチミツ”と呼べるものは、ほんの一握り⁉
スーパーに並ぶハチミツと、養蜂家が作るハチミツ。その違いを丸山さんに尋ねると、衝撃的な事実が返ってきました。
「実は、市販されているハチミツの中には、純粋なものは少ないんですよ」
えっ、どういうこと!?
「本来のハチミツは“100%花の蜜”からできるもの。でも、実際には砂糖を混ぜたものや、花の蜜ではなく砂糖水から作られた“ハチミツ”もあるんです」
本物のハチミツは、 花の種類や気候、採蜜時期のタイミング によって香りや味が変わります。同じ時期、場所で採れたものでも、年によって味わいが異なるとのこと。
「だからこそ、ハチミツは“一期一会”なんです」
こう語る丸山さんのハチミツは、 “完熟”にこだわり、非加熱のまま瓶詰めされるため、自然の風味がそのまま味わえます。
「完熟ハチミツは、蜂が羽で蜜の水分を飛ばして仕上げるんです。人工的に加熱処理されているものもありますが、その過程で香りや酵素が失われてしまうことがあるんですよ」
風邪・疲れ・ストレスに!ハチミツの驚くべきパワー
本物のハチミツには抗菌作用があり、特にのどの痛みや風邪の予防に効果的だといいます。
「疲れたときや、気分が上がらないとき、脳を活性化したいときにも、ひとさじのハチミツをなめるといいですよ!」
蜜蜂の最大の敵…それは“農薬”
ハチミツは健康に良いだけでなく、 地球環境にも関わる大切なもの。しかし今、 養蜂業界では蜂の減少が深刻な問題になっています。
「最大の原因は“農薬”です。特にコメ農薬は巣ごと全滅させてしまうことがあります」
そこで、農薬散布の時期には巣箱の門を閉めて蜂を守るなど、工夫しながら養蜂を続けています。
現状の日本では、養蜂の先進国に比べて蜂に対する農薬規制が不十分であるため、今後の環境対策も課題だと語ります。
“遊ぶように働く”師匠との出会い
美味しいハチミツを作ることにこだわり、蜂を愛する丸山さんの人生は3歳から始まりました。
「幼少期から家の近くで見られるクマバチを観察するのが好きで『あんなにぽっちゃりでふわふわで羽も小さいのによく飛べるなぁ、蜂界のゴールデンレトリバーみたい(笑)』と思っていました」
動物や植物、虫が好きで友だちのように自然と触れ合っていた子どもだったと振り返ります。
そして、養蜂を始めたのは大学生のとき。きっかけは、一緒に養蜂体験講座に行っていた母と、とある “蜂好き”の男性との出会いでした。
「母が直売所で蜂蜜を売っていたおじさんに話しかけたら、『蜂を飼いたいかい?本気なら連絡してね』って(笑)」
後日、 約6000匹(約10万円相当)の蜂が入った巣箱をプレゼントされたのです!
「養蜂の世界は企業秘密が多いので、師匠の仕事を徹底的に学びまくりました」
そんな師匠(当時78歳)は、いつも楽しそうに働く人だったそう。
「師匠の口癖は『遊ぶように働く』。最初は意味がわかりませんでしたが、今では私もそんなふうに仕事をしたいと思えるようになりました」
家族の支えで夢を叶える
起業後は、 ワンオペで養蜂・カフェ・メディア出演をこなす 激務の日々。疲労で倒れることもありました。そんな丸山さんを支えたのは家族でした。
「出会った当初、彼女がすでに起業しているとは知らなかった。でも、本気で養蜂に向き合う姿を見て、応援したいと思ったんです」と、体調を崩しながら働く姿を一番近くで見ていたご主人は週に何度も千葉に通い、食品衛生の資格も取得。
さらに、義父母も福井県から千葉県に移住してサポートすることになります。
「最初は知らない土地での生活に戸惑いましたが、マルシェを手伝う際にはお客様にハチミツの品質の良さを知ってもらえるので今では楽しんでいます」
丸山さんは家族の支えがあったからこそ、 本物のハチミツ作りを続けることができたと語ります。
世界へ!“感動するハチミツ”を届けたい
丸山さんが立ち上げた「八八(はちはち)」という会社名には、 “四方八方にふるさとの美味しいハチミツを広めたい” という願いが込められています。
「千葉のハチミツから始めて、ゆくゆくは世界中に広げたい。世界の人々が、自分の故郷のハチミツを楽しめるような会社にしたいんです」
現在は新しい商品開発も進めており、 ハチミツレモネードなどの展開も予定しています。
「ハチミツは捨てるところがなく、蜜蜂の巣から採取されるミツロウは家具の塗装などにも使えるんです。これからも私たちは何十種類ものハチミツを提供し続けて千葉から全国、そして世界の人たちに “美味しいハチミツがあるんだよ” と広げていきたいです」
一期一会のハチミツ、その一滴が届ける感動
丸山さんが生み出すハチミツは、 自然の恵みと蜂たちの営み、そして養蜂家としての情熱が詰まった特別な一滴。
毎日を頑張るあなたに、ぜひ “本物のハチミツ” を味わってみてほしい。
ひとさじの甘さが、あなたの暮らしをちょっと豊かにしてくれるかもしれません。
合同会社八八(はちはち)
〒299-3211 千葉県大網白里市細草1813
【公式LINE】https://lin.ee/Du4V2za
【丸山千晴Instagram】https://www.instagram.com/chiharu_maruyama88/