他者の考えを信じ受け容れるという選択肢を大切に
姫路 麻子さん(39歳)
参加プロジェクト:Ethics Fan Meeting2025、春。
私は、靴を揃えてほしいとずっと子供たちに言ってきました。子供たちは揃える様子はありません。
こんな小さなことができなくて、何ができるだろうと考えてしまうのです。
本人にやらせるという事を徹底し、それは社会に出たときに必ず役に立つと信じていたからです。
少し言葉のたどたどしい息子が心配で、小学校に入学すると平仮名さえ不十分な時から、子ども新聞の記事をそのまま書き写すことを提案しました。やりたくないという時も、それでもやるんだよと言い聞かせ、子供はまた机に向かうのでした。
そのノートは七冊になりました。
それは、幼い長男が親の言うことを信じて受け入れてくれた時間でした。
ノートには涙の跡が残っていて、子どもが親に寄り添ってくれた宝物として捨てる事ができません。
靴を揃える。それは本人にさせると同時に、私が気づいた時にすればよいと気付きました。
私の考えだけが正しいわけではない。息子が私を信じ、寄り添い続けてくれた書き写しのように、他者の考えを信じ、受け容れるという選択肢を大切に、日々の生活を楽しみたいと思います。