「まるで子育て世代の大規模ファンミーティングみたいでしたよね!」と、福岡で開催された「ママなびLab」の印象を熱く語ってくれたSHELLYさん。
限られた時間だっただけに「もっとたくさん話したかった!」とのことから、引っ越し先のオーストラリアから一時帰国された際、改めて親と子、家族がつながる子育てについておうかがいしました。


子育てっていろんな可能性が広がる⁉

オーストラリアで気づいた新たな子育てのヒント

——まずは登壇されたイベント「ママなびLab」のご感想から。いかがでしたか。
「めちゃくちゃ印象的なイベントになりました。3200人がみんな子育て世代。若い世代の家族も多く集まるイベントって参加したことがなかったので驚きました。お客さんの反応も良く、気持ちが伝わり、その場にいたみんなが一つにつながったって感じで本当に楽しかった。絶対またやってほしいです!」

——このイベント後、オーストラリアへ引っ越されましたが、新生活はいかがですか。
「最小限の荷物だけで引っ越したので何から何までそろえなければならず落ち着いてはいないんですが、子どもたちとの時間をたくさん持つ目的は想定以上に実現できました。特に一番下の子は3歳になったばかりでずっと一緒。濃厚な時間を過ごせたことは宝になったねと、パートナーと話しています」

——そもそも、オーストラリアに引っ越そうと思われたきっかけは?
「子どもたちに世界は広いんだ、いろんな文化があり人がいるんだってことを見せたい、海外経験をさせたかったのが大きいですね。私もパートナーも海外生活の経験がなく、旅行とは違う時間を過ごしたい、生活してみたいっていうのもありました」

——新しい環境の中、新たに子育てで気づかれたことはありますか。
「東京に住んでいたからかもしれませんが、周りの人に迷惑をかけないようすごく意識して生きていたんだなと思いました。それは土地の広さにも比例すると思いますが、オーストラリアでは誰もイライラしていない。スーパーで子どもたちがしゃがみこみ通行を妨げていても、大人たちはニコニコして待っていてくれる。私は人に指摘されるくらいせっかちなので直さなきゃと思いましたし、子どもにも悪い影響を与えているなと感じました。どこかで子どもをコントロールできない親に見られたら嫌だなと、周りの目を気にして子どもたちを叱っていたんだと気づき、自身の子育てを目下軌道修正中です」

——学校選びや育児方法など、日本との違いに驚かれたことはありますか。
「うちはモンテッソーリ教育(編集部註:イタリアの教育学者マリア・モンテッソーリが提唱した教育法。子どもが持つ自己教育力を信じ、大人が環境を整え援助することで子どもの自立、集中力、社会性、責任感などを育むことを目指す)を受けさせているんですが、私たちが住んでいる地方都市のパースだけでも取り入れている学校が10校ありました。
日本は公立か私立。しかも暗記、試験重視で、モンテッソーリやシュタイナーといった、遊びで学ばせる教育法はお金もかなりかかり、選択肢に入れることは容易ではないと思うんです。日本では教育費の捻出もなかなか大変でしたが⋯⋯、ここでは日本の約3分の1。教育費が浮いた分、今の生活を維持することができます(笑)」

——日本でもいろんな選択肢がほしいですね。
「いろんな教育方法があるってことを知ってもらいたいですね。大学に入る方法は限られていないし、そもそも大学だけが進路じゃない。ちなみにパースはトレーディといって、電気屋さん、大工さんといった専門職の方の多くが会社を興し、高級車に乗っている。これこそ本来の社会だと思います。そもそも専門職の方がいなくなると困りますよね。好きなことがあればそれを極めてほしいといったパースの子育て方針にはものすごく共感します。
私自身、AIが進化する中、コンピューターに取って代わられない仕事を選択したほうがいいなと思っていて。発想に柔軟性を持たせ、将来こうなってほしいという成功像をいろんな形で想像してあげたほうが子どもも幸せなのかなと思います」

早期からの性教育はコミュ力につながる!?

——イベントの時も少し話されましたが、子どもの性教育についておうかがいします。
「昨今、子どもへの性犯罪が増えてきましたが、昔から子どもに手を出す大人は絶対にいたと思うんです。その危害に子どもたちが気づけるかどうか。それが不適切な触り方、関係だってことを理解し、子どもたち自身がその行為を誰かに伝え、助けを求めることができるかどうか。それによって、大人になった時にトラウマが残るかどうかが確実に変わってきます」

——まず親として子どもにできることは何でしょう?
「2~3歳の頃からプライベートゾーン─水着で隠れる部分と口はほかの肘とか膝とかとは違うんだってことをうちでは話しています。体のこの部分は大事なところで、人に見せないし触らせない。写真を撮らせるのもダメ。これは絶対守らなきゃいけない。
あと、誰かをサプライズで喜ばせようと企画する秘密はOKだけど、それ以外の大人との秘密は絶対ダメ。小児性愛の人は子どもと裏切れない関係性を作ってから手を出すことが多いので、大人から『秘密だよ』って言われたらすぐに教えるようにと伝えています。こういった話を3歳になる前にしておけば、何かされた時にすぐ気づけますし、今後、大人からの加害を止めることもできると思います」

——早ければ早いほどいいと?
「そうですね。あと大事なのは、大人たちが子どもたちを信じてあげること。子どもは性加害についてうそをつかない。信頼するパートナーや親、兄弟が加害者だと聞いても絶対に信じてほしい。あなたの勘違いじゃない?って言った日には、子どもはこの人には言えない、安全な人じゃないと思い閉じこもってしまいます。
何でも言ってもらえる関係性を作るためには必ず、加害を伝えられた時に信じてあげる、伝えてくれたことを褒めてあげる、よく言ってくれた、私が守るからと伝え成功体験にしてあげる。子どもとの関係性がある大人はみな知っておいてほしいと思います」

——とはいえ、日本は早期の性教育に対して抵抗感のある大人が多いのが現状です。
「家庭で性について話しづらいのは欧米も一緒。私も恥ずかしいし気まずいし照れ臭い。子どもと性の話をするのはうれしくも楽しくもないけど、ちゃんと教えるのはセックスをタブー視してほしくないし、私を情報源と思ってどんどん質問してほしいから。最終的に子どもが傷つくのは絶対に嫌だから、そのために乗り越えるって感じです」

——では、どういったところから始めるといいでしょう?
「一番大事なのは性的同意─積極的に相手と性的な触れ合いをしたいかどうかだと思います。お互いの同意がなければ絶対にしちゃいけない。難しい話に聞こえますが、私は家の中から始まることだと思っていて。
うちでは子どもたちに『やめて』を絶対2回言わせないルールを作っています。『やめて』と言われたら遊びであってもふざけているだけでもやめる。『やめて』って言葉にはすごく重みがあるから絶対リスペクトしなきゃいけない。それを守ってくれない人は危ない人だという感覚を植えつけているつもりで、小さい時から子どもたちに教えています。
セックスには直接関係ないですが、相手の嫌だという気持ちを絶対尊重しなきゃいけない感覚は、後の性的同意につながります。さらに言えば、人間関係すべてにつながる。一人でも傷ついている人がいたら、みんなが笑っていてもダメ。相手が嫌がっているかどうかを感じ取れる、すごく大事なコミュニケーション力だと思います」

——そう考えると、性教育にも前向きになれそうですね。そんな子育て奮闘中のママたちにアドバイスをお願いします。
「最初の子育てで私が悩んだのは、聞く人によってアドバイスが違うこと。だからこそ自分を守るためにも、子どもを守るためにもしっかりした自分のフィルターが必要だと思います。こう育てたい、こう向き合いたいと、常に自分に問う感覚も大事。
アドバイスって愛情から出てくるもので、よかれと思ってのこと。それが結構ストレスになることもあるので、ありがとうって気持ちだけで全部受け入れなくていいと思います。自身のフィルターを持つことができれば、子育ても何かと楽になる気がします」

赤ちゃんと会話できる!? 驚きのベビーサイン育児法
一般社団法人 日本ベビーサイン協会
https://www.babysigns.jp/

まだ言葉を話せない赤ちゃんが、手話のようなジェスチャーを使って親とコミュニケーションをとる育児方法が「ベビーサイン」。赤ちゃんって口と舌の筋肉が未発達だからしゃべるのは2歳くらいから。だけどこれが欲しい、嫌だって意思はある。だから口より先に動く手先をツールとして教えてあげれば、フラストレーションをためずに伝えることができる。駄々をこねる回数もぐっと減ります。
先に姉がやっているのを見て面白そうだなと思って調べると、日本ベビーサイン協会なるものがありレッスンもやっている。早速通い、子どもが座れるようになった6カ月からスタート。最初は全く反応してくれずくじけそうになりましたが、気長に続けて3カ月後、初めて「おっぱい(が欲しい)」とサインしてくれたことにものすごく感動しました。赤ちゃんと意思疎通できるってこんなにうれしいことなんだと、言葉を初めて発した時よりも、強烈に印象に残っています。以降、おっぱいをもらえた成功体験から一気にやってくれるように。その感動たるや!
これは後づけですが、日本語の「本」と、英語の「book」のサインが同じものを示していると覚えていてくれたのも英語、日本語を教える上でよかった。英語、日本語で言い方が違うといった言葉の関係性も、頭の中で整理できたんだと思います。超おすすめです。

\ SHELLYさんも「子育て術でやってよかった! 私の堂々第1位!」と絶賛 /

『ベビーサイン図鑑  簡単なジェスチャーだけで、2歳児以下とも双方向コミュニケーション!』 (吉中みちる著/Gakken刊) 
SHELLY

SHELLY

シェリー 1984年生まれ、神奈川県出身。14歳の時にモデルとして芸能界デビュー、バラエティ番組や情報番組などのMCやコメンテーターを務める。
2020年末から自身のYouTubeチャンネル「SHELLYのお風呂場」で性教育を中心としたコンテンツを配信中。2025年夏からは家族とともにオーストラリアでの新生活を開始。

photograph by 平岩享 text by 岡﨑優子 styling by 野田さやか hair&make up by 高橋純子
シャツ¥13,200 パンツ¥11,000/ともにLA BELLE ETUDE(アンティローザ) 【問い合わせ先】アンティローザ  ☎080-3279-2151

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