「令和6年能登半島地震」から1年。
9月に起きた能登豪雨災害の影響もあり、
ますます復興への道のりが険しいものになっているとの報道も目にする。
そんな状況下、改めてわたしたちに何ができるのか、
今、何が求められているのかを知りたいと、11月中旬、再び能登を訪れた。
そこで出会った多くの復興を支える人たち、
過去のにぎわいを取り戻そうと奮闘する人たちに、その想いを聞いた。

被災地の最前線に立ち
災害の知識を更新し社会に届ける
加藤 愛梨
災害リスクコミュニケーター
株式会社Mutubi代表取締役

メディアが伝えない被災現場へ
「災害リスクコミュニケーター」とは加藤愛梨(かとうあいり)さんが編み出した肩書き。災害予防の啓発やコンサルティング、防災商品やサービスの企画や開発などさまざまな取り組みを行っていると言います。
「科学の世界は実験で検証を重ねれば答えが出ますが、災害は実験できない。いろんな経験を積み重ねて発展していく世界なので、分かりづらい部分が多々あります。そこで被災地の最前線に立ち、日々アップデートされる防災や災害の知識をしっかりつかみ取り、社会に届けるコミュニケーターとして自身を位置付けています」と、説明してくれました。
特に注力するのはメディア事業。各地のクリエイターとパートナーシップを結び、被災者の視点から描いた映像を制作・発信しています。「メディアが目を向けるのは話題性のある地域、報道しやすい人たちばかり。逆にわたしたちはメディアの光が当たらないところに取材に行き、個々のストーリーを伝えることをモットーにしています」
結果、この人を助けたいといった情動がわき起こるコンテンツを作りたいと、「被災地と未災地を良くするメディア」=MuTube映像としてアップしています。「見て知って終わりだけでなく、次の具体的な行動につながることが目的」と、例えば輪島市町野町(まちのまち)唯一のもとやスーパーに密着、震災から豪雨災害までをまとめた動画は多くの反響を呼び、ある大手販売店が支援を始め、営業再開の後押しとなったといいます。
