わたしの町、わたしの職場のヘッダー

地元を盛り上げようと、四姉妹が2021年3月にオープンしたハンドメイド雑貨店 "Happy Leaf(ハッピーリーフ)"。
和気あいあいと商品を制作・販売する職場にお邪魔しました!


癒やし雑貨で心もハッピー

取材撮影時、カメラマンの指示に同じタイミングで相槌をうつ息の合った仲の良さを見せる四姉妹。石川県羽咋郡志賀町(はくいぐんしかまち)に立地するHappy Leaf(ハッピーリーフ)は2021年に「気軽に立ち寄れる場所を作って地域を盛り上げたい」という四女・橋本幸葉(はしもとさちよ)さんの想いから、四姉妹の母親の命日である3月24日にオープンしたハンドクラフトを扱う雑貨店です。

末っ子の幸葉さんを力強くサポートするのが双子の長女・川田佳子(かわだよしこ)さんと次女・濱野礼子(はまのれいこ)さん、そして今回の能登半島地震で半壊してしまったハッピーリーフの仮店舗として場所を提供している文房具店を経営する、辻村商事に嫁いだ三女・辻村雅美(つじむらまさみ)さん。

並べられた商品はどれもお手頃な価格で販売されています。「地元の人に手に取ってもらいたくて、かわいいものを安く提供したら、みんなが来てくれるかな」と、牛乳パックや新聞紙、紙袋などをリサイクルした、主婦の手に届く範囲の素材を使って商品は作られていきます。気軽に訪れる憩いの場所として地域の人々に愛され、時には悩み相談や愚痴を話す場になってしまうことも。

幸葉さんが縫い物をする様子
能登半島地震で志賀町の店舗が半壊し、現在、三女の雅美さんご家族が経営する辻村商事1階、文具店の一部スペースを借りて商品を販売。キーホルダー、バスケット、鍋敷き、紙袋、フォトフレームなど温かみのある雑貨が所狭しと並ぶ。作業スペースは販売コーナーのすぐ隣の作業台。四人姉妹が仲良くテーブルを囲むように、その時々のおしゃべりを楽しみながら、それぞれ得意とするハンドクラフトづくりに精を出す

能登はやさしや 土までも

能登を表す言葉として使われる「能登はやさしや 土までも」。"人はもとより土までもやさしい"という能登のあたたかさを表した言葉です。フリマアプリから始めたハンドクラフト商品の販売は、実店舗を構えたことで地域の注目を集め、工芸作家、ハンドクラフト作家、あるいは知り合いなどから商品を置かせて欲しいという依頼や、コロナ禍で開催できなかった作品の発表の場として声がかかるように。個性溢れる商品をどのように並べようかと苦労した逸話がある一方、預かった商品が売り物としてのクオリティーに達せず取り扱いできないことを伝える心苦しさもあった、と幸葉さんは当初の苦労を振り返ります。

いろいろな縁を紡いでくれたお店でしたが今回の能登半島地震によって半壊、当初は修理して再開する予定だった店舗は後日、公費解体することが決まりました。しかし、解体される店舗の補助金が支払われる条件については、新しい店舗が完成していることという矛盾が立ちはだかりました。それでも前に進むしかないと決めたものの、不安に駆られる幸葉さんを救ったのも人の縁でした。「障がいのある長男が勤めている会社に県のお仕事をされている人がいて、その方に相談したら役所に確認してくれてうまく収まりました」

目指すはフォロワー1000人超え

最後に、四姉妹それぞれに夢や挑戦したいことを訊ねてみました。

「私は家に今回の地震でも壊れなかった大きな倉庫があるんです。そこをきれいにしてSDGsに挑戦したい。ご年配の方たちがここに来たらいろいろな材料があるからと、木工で何か作ったりとかね」(長女・佳子さん)。

「ハッピーリーフも大事ですが、今度は家族でも挑戦してみたい。多肉植物が大好きなの」(次女・礼子さん)。

「ハッピーリーフの商品を置くようになって楽しみにご来店くださる方々ができました。将来的には小さなお店を持てたらなと夢を膨らませています」(三女・雅美さん)。

「志賀町のハッピーリーフと言えば、ここだって思ってもらえるくらい認知度を上げたいと思っています。まずはインスタグラムのフォロワー数を1000人超えにし、ネットショップ販売を実現させることに挑戦してハッピーリーフを大きくしていきたい」(四女・幸葉さん)。

お客さまや地域の人々の出会いや縁によって「自分が楽しい時間を過ごさせてもらっていることがすごく嬉しい。次から次へとやりたいことがひらめくんです」と語る幸葉さん。今回の地震によってますます結束が強くなった四姉妹の絆。志賀町にハッピーリーフの新店舗がオープンする日を心待ちにする能登の人たちのために、一日も早い再開を願うばかりです。

幸葉さんが中心となってオープンした「ハッピーリーフ」の商品は、そのほとんどが牛乳パックをリサイクルした紙テープや、買物袋や新聞紙を利用したもの。「SDGsという言葉が一般的になる前から、このまま捨てるのは惜しい、再生できないかと始めたハンドクラフト商品でした。"もったいない精神"は石川県民性かもしれないですね」と幸葉さんは笑う。什器も祖母の箪笥を利用、壁紙も自分たちで張り替えるなどして店を作り上げていったことは、今も姉妹の中で語り草になっているのだとか。「お店をやりたいって話をしたときも、お店が半壊したときも、やめようって言いださなかったのは、みんながプラス思考だから」。復興の象徴として頑張りたいと語る幸葉さんの言葉が印象的でした

わたしの職場 ——————–
Happy Leaf(ハッピーリーフ)
石川県羽咋郡志賀町富来地頭町7-99-2
定休日:土・日曜、祝日
営業時間:9:30〜12:00、14:00〜17:00
Instagram:@happyleaf324

石川県羽咋郡志賀町 ——————–
能登半島のほぼ中央に位置する小さな町。増穂浦(ますほがうら)海岸には全長460.9mの「世界一長いベンチ」が設置。ほか家族連れで賑わう大島キャンプ場、映画『ゼロの焦点』の舞台となったヤセの断崖など、観光名所も多い。

photograph by 平岩享 text by 稲越一之

この記事は有料記事(500円/号)です

購入すると「カフェモカ」の全記事をお読み頂けます。

すでに購入済みの方はログイン